出してはいけない食中毒!その対処と予防【3原則と6つのポイント】

Coping and prevention of food poisoning
食中毒はどうやって防ぐ事ができるのかな?
いつも何気無しに料理で使っている食材、
保存や管理の仕方で食中毒になる可能性はあるのかな?
ひと口に食中毒って言ってるけど、
どんな症状で予防方法はそれぞれ違うのかな?
←こんなお悩みの方にお答えします。

私自身35年以上調理業界に身を置いて、様々な経験からこの記事を書いています。
特に飲食店で食中毒を出すというのは致命傷になります。
この点の危機管理や安全対策を長年して来ましたので、参考になるとうれしいです。

✔本記事の内容

食中毒というと皆さん外食や給食などでかかるというイメージがあると思いますが、
家庭での台所でも発生する可能性は多く潜んでいます。
今回はそんな食中毒のことについてまとめていきます

食中毒はどうやって防ぐ事ができるのかな?【3原則の解説】

食中毒はどうやって防ぐ事ができるのか?【3原則の解説】

3原則とは以下のことです。

・付けない
・増やさない
・やっつける

付けない

人間何事をするにも、色々なものを手で触ります。

つまり手洗いと言うのは、“絶対”に必要だということです。

 

調理を始める前や調理中

当然ですが調理を始める前は出来るだけ入念に、手洗いする事をお勧めします。
また調理中も、食材などがかわったり調理器具を変えたりしした時にも、手洗いをお勧めします。

 

肉や魚、卵を扱う前とあと

特にこの3つの食材を扱うときは、入念に手洗いしてください。
肉や魚の生ものの表面には、様々な菌がついています。
また卵の表面にもサルモネラ菌などの細菌がついていますので,これらを触った後は入念な手洗いをお勧めします。

 

トイレに行ったら必ず

これも当然ですね。
ドアノブなども雑菌だらけです。
手洗いは絶対にしてください。

 

ペットとのふれあいのあと

もしペットを飼ってるのなら、触れたそのあと。
ペットの体にも、雑菌はたくさんあります。
調理中や食事中は、ペットとの触れ合いを控えてください。

 

食事をする直前

食事をする時に、手が口元まで近づきます。
口からの侵入を防ぐためにも、食前の手洗いは習慣づけてください。

 

残った食品を触る時

これは調理前と調理後があります。
調理前では肉や魚の生ものと、野菜などは一緒にしない。
調理後のもでは食べ残しですね。
食べ残したものは個別にラップに包んだりして、冷蔵庫での保管となりますが、冷蔵庫も過信してはいけません。
また直箸で食べていた物は、唾液がついています。
口の中は雑菌がたくさんありますので、残り具合によれば廃棄ということも考えられます。

増やさない

細菌などはやはり室温では動きが活発になりますので、できるだけ早め早めに冷蔵庫や冷凍庫に保管します。

しかし先にも書きましたが、冷蔵庫や冷凍庫の過信は禁物です。

家庭では特に小さいお子さんが居てるとこでは、扉の開け閉めがひんぱんに行われます。

この事で庫内の温度が低温に保てない事が考えられます。

なので食材は出来るだけ早く食べてしまう事が大事です。

やっつける

細菌などは高温に弱いです。

肉や魚、そして野菜なども加熱調理する事で安心して食べる事ができます。

よく言われるのが、中心部分を75℃以上で1分以上加熱する事が目安と言われています。

また使用したまな板や包丁、スポンジなども熱湯をかけて消毒したり、台所用殺菌剤などで消毒をこまめにすることもおすすめです。

 

いつも何気無しに料理で使っている食材、保存や管理の仕方で食中毒になる可能性はあるのかな?【6つの予防ポイント】

食材の保存や管理の仕方で食中毒になる可能性は?【6つの予防ポイント】

先ほどのの3原則 『付けない』『増やさない』『やっつける』を実践するための、具体的な6つのポイントをお教えします。

・買い物の仕方
・買って来た食材の保存法法
・調理前の準備
・調理をする上の注意点
・食事をする時に
・調理後の食材や食べ残った食品

買い物の仕方

まず先にいつも行ってるスーパーの店内を頭に思い描いてください。
冷蔵もの以外から先に買い出して、生鮮食料品や冷凍食品はあとで買ってください。
また賞味期限や消費期限をチェックしながら買ってくださいね。
おつとめ品で安く買えたものは消費期限が近いものが大体です。
早く使うようにして、使えないなら安いからと言って買わないでください。
レジが済んで買い物袋に入れるときは、食品同士がくっつかないようにビニール袋に小分けにして
入れてください。
あとは寄り道をせずに、とっとと帰宅してください。

買って来た食材の保存方法

帰宅したらできるだけ早く冷蔵庫や冷凍庫に入れてください。
また冷蔵庫内でも違う食品同士がくっつかないようにビニール袋に入れてわけて保存してください。
あと冷蔵庫は万能ではないですし、入れすぎると冷気の循環が悪くなり、食品を傷める事にもなりますので無駄なものの買いすぎに注意ですよ。
適性温度は冷蔵庫が10℃以下、冷凍庫が−15℃以下です。

調理前の準備

手洗いは絶対ですね。
冷凍食品を使う場合はあらかじめ冷蔵庫で解凍したり、流水解凍したりして、室温での自然解凍はやめておいた方がいいですよ。
また一旦解凍したものは使ってくださいね、再冷凍はチョー危険です。
やめましょう。
食品は調理前によく洗って、まな板で切る順番に気をつけてください。
野菜などから切り出し、肉や魚の生鮮食品は後にしましょ。
調理し終わった調理器具の殺菌消毒も忘れずにお願いしますね。

調理をする上の注意点

生鮮食品などを触ったらしっかり手を洗い、特に卵を触ったらちゃんと洗ってください。
卵の表面にはサルモネラ菌がついている場合があります。
なんしか手をマメに洗い、しっかりと食品の中まで火を通すことです。
先ほどにも書きましたが、中心部分を75℃以上で1分以上加熱する事が目安です。

食事をする時に

食べる前にも手洗いです。
食べる時に手が口に近づきますからね。
あときれいな食器を使って、できた料理を長く室温に置いておかないこともポイントです。

調理後の食材や食べ残った食品

残った食品はきれいな容器に保存して、再び食べるときはしっかりと加熱してくださいね。
あと私が店のパートさんたちに常々言っていたのですが、「大丈夫かな?」と思ったら破棄してくださいと。
時間が経ったものや匂いが出てるものは論外ですが、自身で「ん?」っと思ったら迷わず捨てる!です。

食中毒、何が原因でどんな症状?【それぞれの予防方法】

食中毒、何が原因でどんな症状?【それぞれの予防方法】

食中毒になると嘔吐や下痢といった症状が出るのが主です。その後に熱が出たりしたりもします。よほどの重大な症状では救急車を呼ぶ事を勧めますが、自力で歩けるのなら素人判断は絶対せずに、必ず病院(内科や胃腸科)に行ってください。市販薬での対処は危険ですよ。

食中毒の原因【主な7つの原因】

・O-157
・ノロウイルス
・ブドウ球菌
・サルモネラ菌
・ウエルシュ菌
・カンピロバクター
・セレウス菌

O-157

O-157は有名ですよね。
焼き肉屋さんで食べた生レバーなどが原因で、集団感染したって言うニュースなんかもありましたね。
症状は嘔吐や下痢で、下手をすると死んだりします。
生ものを食べないのが一番の予防方法ですね。
あともし家族が感染してしまったら、トイレや風呂、タオルの共有はやめた方がいいです。

ノロウイルス

ノロウイルスも有名ですね。
手から口に入ったり、汚染された食品を食べることで症状が出ます。
潜伏期間1~3日で高熱や嘔吐、下痢の症状が出ます。
予防するにはやはり手洗いで、カキなどの二枚貝を食べるときはしっかり調理して、中まで火を入れましょうね。
冬場の生カキは美味しいですけどリスクがありますよ。
似たものでロタウイルスもあります。
症状なども似ていますね。

ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌のことで、一般的にどこにでもある毒素です。
予防としては一応10℃以下ではほとんど繁殖されないと言われているので、食品の出しっ放しはやめましょうね。
あと手に傷があった場合、そこから菌が付着する可能性が高いので、ビニール手袋の着用を勧めます。
症状はすぐに出たりします。
嘔吐や下痢ですね。体内に入った毒素の量に比例しますので、できるだけ早く病院に行ってくださいね。

サルモネラ菌

動物の体内や表面にも多く生息してる細菌ですね。
お家でペットを飼われている方は、調理中にそのペットと触れ合うのはやめましょうね。
またニワトリの卵の表面にも多く付いていることもあるので、注意が必要ですね。
予防としては出来るだけ生では食べずに、よく加熱することです。
食器や容器をしっかりわけて、マメな手洗いをすることで料理に菌をつける事が防げます。
感染する事で症状が早く出やすいのも特徴で、数時間で嘔吐や下痢を発症します。
市販薬を使わずに、早めに病院へいきましょうね。

ウエルシュ菌

シチューやカレーの大量調理された料理を作り置きしたりした事で、繁殖しやすい細菌です。
自然界に広く分布していて、人間や動物も持っています。
長時間の高温調理にも耐えるなかなかしぶといヤツです。
5~6時間で症状が発症して、腹痛と下痢が主な症状です。
夏場に多く、子供や年寄りが重症化する事があります。
予防としてはカレーやシチューを作ったらできるだけ早く食べ切るか、食べ切れずに残ってしまったら、冷蔵庫内の他の食材にダメージを与えないように、温かいうちに10℃以下に急送冷蔵する事です。
あと調理中によく混ぜる事で空気に触れさし、菌が増えることを防ぐことができるらしいです。
マメに混ぜましょう!

カンピロバクター

カンピロバクターは下痢を発症させる有名原因の一つで、世界中の胃腸炎の一番多い原因菌です。
食べ物から感染してしまう場合が一番多いので、他の食中毒の予防と同じように手洗いや食材の適切な管理が必要です。
症状は他の食中毒よりは軽いと言われますが、子供や年寄りには注意が必要です。
感染したら発症に2~5日と幅があり、症状は3~6日ほど続くとのことです。
調理するときはマメな手洗いと、食材同士をくっ付けず容器と食器を分ける事が必須です。

セレウス菌

セレウス菌はウエルシュ菌と同様に、熱に強いと言われています。
ほかの食中毒とは違い、「下痢型」と「嘔吐型」の2種類に分けられるらしいです。
感染後嘔吐型は30分〜5時間の潜伏期間。下痢型は6時間~15時間の潜伏期間です。
けっこうチャーハンや焼きそばなどの作り置きが原因で多いので、家庭で作る場合は食べきる量を作り、あとで食べさせたいのであればその時に調理をする事をお願いします。
もし後にまで置いておくのなら、8℃以下まで急速に冷やし込み、提供するときはしっかり加熱してくださいね。
くれぐれも「怪しい」と思ったら、食べたりしないでくださいね。

まとめ

食中毒は少しの油断から発生させてしまいます。
つねに手洗いを意識して、調理器具を清潔に保ち、食材を適切にわけて調理する。
保管はしつかり冷蔵庫や冷凍庫で行い、その冷蔵庫などの開閉回数も減らすよう心がけてください。
調理意識をしっかり持つ事で、楽しく美味しく食べられる食卓の笑顔が守られます。

以上最後まで読んでいただきありがとうございました。

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山下 景史

調理師&料理家として37年以上の豊富な経験を持ち、居酒屋・食堂経営から雇われでカフェ店長まで、様々な仕事を経験。簡単かつおいしい料理レシピの提案と調理に役立つヒントを積極的に発信しています。大阪市内に在住し、家族は妻と可愛いい8歳の娘との幸せな時間を大切にすることが最優先!料理を通じて人々との素晴らしい“食の旅”を共有することに喜びを見出しています。

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